読書感想1:なぜか日本人が知らなかった新しい株の本
いきなり結論
初心者必読の良書。浜松市なら図書館にあります。
読んだ目的ときっかけ
株の勉強についてマイルストーンを得たかった。
きっかけはヤフー知恵袋。
わかったこと
- 企業の業績(決算書の数字)から、株の適正価値を計算できる。(企業価値分析)
- 株価は、需要と供給に応じて変動するが、短期的には企業価値通りにはならない。
- なぜなら、株式市場のプレーヤーにはアホや策士が居るため。
- そこで、適正価格の割に株価が安いことがある。(割安株)
- 投資に関する基本的知識(利率・リスク・ギャンブルの胴元など)
わからないこと・興味
- 企業価値分析の手法の詳細(この本ではDCF法の簡単な説明のみ)
- 決算書の数字をオンラインで一括取得する方法(RSSみたいな)
- 割安株を知らせる(スクリーニングする)Webサービス
- 株価を上げるストーリーの見つけ方(結局、予測はできないの?)
- 指標の意味(ROE?PER?暗記すんの?ダルい…)
感想文
私が一番はじめに読んだ株の本。はじめに読んでおいて良かった。
まず「株はギャンブルではない」と書かれているのが良い。「割安株に投資すれば長期的には株価が適正になるのだから差益が出る」という理由がわかりやすく書かれている。この主張自体は正しいため、まずこの主張を読めたのは良かった。他の本には「株式投資はギャンブルだ」と書かれているが、割安株や長期的な動向については否定しておらず、あくまで「市場のプレーヤーは様々であり予測不能なため」と言っている。「基本的にはギャンブルではない」という感覚を最初に身につけられたのは大変良かった。
次に「企業価値分析」の方法を具体的に説明しているのが良かった。Webサイトを参照して決算書の数字を引用し、計算式に当てはめていくので、とにかく分かりやすい。AmazonのレビューによるとDCF法という方法らしい。…というヒントまで得られたので大変良かった。
最後に、会社員的に興味深い内容に終始していたのが良かった。
- 利回りはリスクを反映している
- 企業の儲けのタネは1個か2個
- 人の感情考察「儲けは確定させたい、損はチャラにしたい」
などなど。普段の仕事や勤務先の会社について思いを馳せると、頷ける話が多く、楽しく読むことができた。
一方、大きな疑問点が1つ有った。それは「株価が上がる“きっかけ”を知る」という章。株価上昇の理由として以下の9点が挙げられている。
確かに株価が上がる要因だと思われる。しかしこれらを予測する方法がわからない。筆者は企業の合弁や買収(M&A)のプロだそうで、これらのストーリーの有無を重視したらしいが、起こる前にどうやって予測したのだろうか。記述の曖昧さから、プロ(本職で株取引する方々)にだけ与えられた株価上昇のストーリーを得る手法が有るのではないかと邪推してしまうが、それはともかく、「株はギャンブル」という主張を受け入れる準備ができる。そういう伏線(筆者からの行間メッセージ)と読めなくもない。
総括すると、「株は難しい」と分かりやすく実直に説いてくれる良書である。