株について1から勉強するブログ

理系職サラリーマンの独学経路の記録。先生は本(だいたい図書館)とネット。

株価が動くタイミング(3)

更新遅くて、すみません。
最近仕事でも数字を追いまくりで、家に帰ってまで頭を使うの、なんか疲れちゃって。(しかもネットの方が、なんかシビアで怖いし…)

前回までのあらすじ

日本ファルコムの株を例に取って、株価が動くタイミングについて考察中。


要約「アナリストレポートを含む諸イベントで株価は動く」



要約「投資家同士の読み合いで株価は動く」


今回は、日本ファルコムの株価動向について、

  • どんなプレイヤーが居て、どのように考えて、行動したのか
  • 市場における効率的な立ち回りは?

といった辺りを、考えてみます。

# 自分なりに考えた結果にすぎませんので、おかしい点があればご指摘いただければ嬉しいです。

ファルコムの株価推移

まず、日本ファルコムの昨年9月~11月頃の株価推移を確認します。
おおまかなIRと株価推移は以下のとおりです。

  • 9月16日 業績予想の上方修正、株価上昇(1228 -> 1311)
  • 9月29日 株価下降(1950 -> 1585)
  • 11月13日 決算発表、株価下降(1251 -> 1046)

株価チャートは以下のとおりです。(横軸は日付)
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ファルコムは9月期決算企業なので、11月13日に通期決算を発表しています。その手前の9月16日、「思っていたより業績が良いよ、配当も増やします!」というIRを出しています。まずはこれがトリガーになって、9月16日から9月末にかけて、1200円から2000円近くまで上がっています。しかしその後、決算発表を待たずして、1200円台まで急降下。そして決算発表までじわじわと上がるも、決算発表時に下落し、1000円ちょっとまで下げています。

株価推移の直接原因

まず、この株価推移の直接的な原因を確認します。ここでいう株価推移の直接的な原因とは、買い手が多いか売り手が多いか、ということです。株価は、買い手が多ければ値上がりして、売り手が多ければ値下がるはずです*1

考察のため、チャートに以下のような線を引き、番号を振ります。
f:id:m_ogawa:20150303205014p:plain
とりあえず4本、引いてみました。それぞれの状況は以下のとおりです。

番号 株価変動 状況 プレイヤー動向
No.1 急上昇 業績上方修正の発表直後 買い手>>売り手
No.2 急下降 株価急上昇後 買い手<<売り手
No.3 微増 決算発表待ち 買い手>売り手
No.4 下落 決算発表直後 買い手<売り手

売買が無いと株価は動きませんので、この1~4に於いて、株を買った人と売った人が必ず居ます。そんな彼らが何を考えて売買したのかを考える、というのが基本的なアプローチになります。

プレイヤー定義

つぎに、1~4で株を買った人・売った人の名前を以下のように定義します。そのほうが、考察を文章で表現しやすいので。

  • 0.保有者
  • 1.買い手
  • 1.売り手
  • 2.買い手
  • 2.売り手
  • 3.買い手
  • 3.売り手
  • 4.買い手
  • 4.売り手
  • 5.保有者

0.保有者5.保有者 は、以下の式を成り立たせるために入れました。つまり、
 0.保有者 + 1.買い手 - 1.売り手 + 2.買い手 - … = 5.保有者
となります。もちろん、株式数ベースです。(プレイヤー数ではない)
ちなみに、言うまでもありませんが、 1.買い手 = 1.売り手 も成立します。

それでは、考察準備が整いましたので、1~4についてそれぞれ、考えてみます。

No.1 業績上方修正直後のプレイヤー動向

まずは、業績上方修正のIRが出た直後の、プレイヤー動向について。
1.買い手 の考えは、以下のとおりです。

  • 業績上方修正の発表を見て、中長期的な株価上昇を期待した。

まぁ、普通です。
一方の 1.売り手 の考えは、以下のとおりです。

  • 株価が割高になったと判断/割高になると予想し、利益確定した。

この人達は、 0.保有者 の一部です。日足しか見れないため1日の中で株価がどのように動いたのかは確認できませんが、買い注文が殺到したのではないでしょうか。株価の割安・割高の判断についてはPERやPBRが使われますが、ファルコムはもともとPER,PBRが高めです。2014年3月のアナリスト・レポートにはPERが21.2倍、PBRが3.7倍とあります。以下のページに、東証銘柄のPER,PBRの平均値が載っていますが、それと比べると高いです*2
東証 : 規模別・業種別PER・PBR
おもしろいのは、業績上方修正のIRを見て、「買いだ!」と思う人の居る一方で、「売りだ!」と思う人もちゃんと居る、ということです。過渡的に考えると、早いタイミングほど、買い優勢なんでしょうね。買い優勢に気づいたポジション保有者が売りはじめることで、だんだん売り優勢に移り変わっていくのだと思われます。

No.2 株価上昇後のプレイヤー動向

つぎに、株価が上がったあとのプレイヤー動向。
2.売り手 は以下のように考えるでしょう。

  • 株価が割高になったと判断/割高になると予想し、利益確定した。

ここには、 0.保有者 も含まれます。てっぺんで売れた人は、一番の勝ち組だと思われます。うらやましい。
一方、ここにもちゃんと1.買い手 が居ます。彼らの考えとしては、

  • 業績上方修正の発表を見て、中長期的な株価上昇を期待した。

ということですね。これ、売り手も買い手も、No.1とNo.2とで、考え方が変わらない点がおもしろいと思います。もちろん、買う理由は「将来の株価上昇を期待して」であり売る理由は「将来の株価下落を予想して」に過ぎないのですが、同じタイミング、情報で両者が等しく存在するというのが、大変興味深い。
この現象のメカニズムを、過渡的に順を追ってみると、

  1. ポジティブなIRが発表される
  2. IRを見て期待感が強まり、買い優勢になる
  3. 買い優勢を見たポジション保有者が、売り始める
  4. 売りと買いが均衡し、株価が頂点に達する
  5. 株価が高いので、売りが続く
  6. 元のポジティブIRを見て期待した投資家が、売りに応じて株を買う
  7. 売りと買いが均衡し、株価が釣り合う

ということが起きているのだと思います。
ここで、以下の2つ疑問が沸き起こります。

  1. 4番で均衡する点が、なぜ7番で均衡する点より高いのか。
  2. 6番でなぜ買い手が居るのか。

1つ目については、おそらくですが、投資家がほかの投資家の動きを見て行動せざるを得ないから、だと思います。株価の値動きは企業の業績から直接決定されるわけではなく、あくまで買い手と売り手の期待感で決まります。そして、この期待感は、あくまで株価を軸にして考えられますので、やっぱり買い手と売り手の期待感で決まります。無限ループしますね。なので、一度はオーバーシュートする必要があると思われます。「いやこれはさすがに高すぎor低すぎだろ」という点を最低一度は確認しないと、最適点を決められない、ということですね。一度で済むのは、奇跡なように思えますが、単純にプレイヤー総数が少ないのかなとも思います(何人いるのか知りませんので、勝手な想像ですが)。
2つ目については、日足からはわかりませんので完全な想像ですが、「高値で買っている人はいない」んだと思います。買い手がつかず、特別気配と呼ばれる状態になり、板寄せ方式で価格が自動的に下がっていくのだと思われます。特別気配については、すみません、ググってください。ちゃんと勉強したら後日記事にします。。。

さて、以上から一般論を導くとすると、
ポジティブなIRがあった時には、株価が割高になる瞬間が必ず一回は来る。
と言えそうです。ですが、

  • どの程度のポジティブIRなら、どの程度割高になるのか
  • 例外はないか

という辺りが非常に疑問・心配です。この辺は場数を踏むとか、いろんなシチュエーションを考察するとか、市場に参加しているプレイヤーの動向を察知する手がかりを得ないことには、なんとも言えませんね。というか、「知った気になる」のが一番おそろしい気さえします。。。
ひとつ言えるのは、ポジティブなIRをいち早く掴んで、早いタイミングで買って、ある程度高値になったらすぐに売る、という手法は、基本中の基本っぽいです。だからインサイダー取引というのが規制されるわけですね。初めて「インサイダー取引」という言葉に実感を持てた気がします。


さて、まだNo.2までしか考察していませんが、長くなりましたので、この辺でいったん切ります。

*1:厳密には「成り行きで買う/売る」という前提があるのだと思いますが、例外もあるかもしれません。ちょっと考えても例外が思い浮かびませんので、とりあえず無視します。

*2:ただし、マザーズ銘柄は総じて高め。というかマザーズの銘柄は個々のばらつきがとても大きいため、比較は無意味な気もします。